燈台の灯火部で眺望を楽しむ参加者

【えりも】日高と胆振両管内の博物館・園・郷土資料館とそれに相当する施設で組織する日胆地区博物館等連絡協議会（会長・藤原誠苫小牧美術博物館館長）の令和５年度総会が25日、町福祉センターで開かれ、10市町から25人が参加して５年度事業計画を承認した。任期満了に伴う役員改選では会長に浦河町立郷土博物館の伊藤昭和副館長を選任した。

　５年度事業計画では、恵庭市で開催の道博物館協会大会（７月13日）と、後志管内余市町で開催の道博物館協会学芸職員部会研修会（10月５日）への参加や、９年度に迎える同協議会創立30周年記念事業で、記念誌発行の検討など７件を決めた。

　また、平取町はイギリス・ロンドン市でのアイヌ展開催計画、えりも町は町文化財保存活用地域計画の策定、様似町はビジターセンターでのアポイ岳高山植物の開花観賞会、新冠町は明治から昭和までの写真展開催など、参加全町が活動計画と近況を報告した。

　文化財探訪では、国道沿いの灯台公園に設置の幌泉燈台記念塔で、町教委の中岡利泰社会教育課長から１９２８年（昭和３年）に鉄筋コンクリート製で建立されたが、高台への移転で撤去の際に国から譲り受けて平地に保存していることなどの説明を受けたあと、頂上の灯火部へ昇り、えりも港周辺の眺望を楽しんだ。

　白老町から参加の国立アイヌ民族博物館の宮地鼓研究主査は｢内部が狭い急な階段で、灯火部まで昇るのに少し恐怖を感じたが、95年前に建設の歴史を感じた」と話していた。