釧路沿岸春定置 トキ3年連続低調
釧路沿岸の春の定置網漁業で、トキシラズ(回遊中のシロザケ)の水揚げが3年続けて低調だ。鮮魚店からは「高すぎて買えない」という嘆きが聞こえてくる。
釧路総合振興局がまとめた釧路管内の20日時点のサケの水揚げ量は4・32㌧で、前年同日比1・14㌧多いものの、豊漁だった2020年の27・85㌧に比べ2割に満たない。
定置網の操業数が10カ統と最も多い昆布森漁協でも3・16㌧にとどまる。同漁協では、大漁に沸いた20年は1日2万匹以上水揚げした日もあったが、今年は平均的な日で1日50匹程度、少ない日は1、2匹のこともあるという。
一方、マスは51・55㌧と例年並みで、タラなどその他の魚は308・85㌧とこの4年間で最も多い。全体の金額も約9800万円で3年前に比べ44%増となっており、サケの不漁をタラなどで補っている形だ。
トキシラズは、春から夏にかけて取れる若いサケで、筋子や白子がない分、身に栄養や脂が乗っていて人気が高い。もともと高級魚だが、不漁のため単価がさらに上がり、今年は1㌔当たり3176円と20年の2・4倍となっている。
釧路和商市場で鮮魚を取り扱う酒井商店の酒井博志社長は「この時期はトキがほしいというお客さんが多いが、高いと買ってもらえないので小さめの魚しか置けない。まだ1カ月あるので漁が上向くのを期待したい」と話している。
釧路沿岸の春定置は8月上旬までが漁期。(荒井純)
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