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函館新聞

特殊詐欺被害防止へ紙芝居を作成 函館西署 福祉施設に寄贈【函館】

紙芝居をお披露目するパップのメンバー

 函館西署(高橋勇吉署長)と函館西防犯協会(新谷則会長)などは、特殊詐欺防止を呼び掛ける紙芝居を製作し、26日に同署管内の福祉関連施設など8カ所と、北広島市の市民団体「朗読劇ふらっと」(石田智子代表)に贈呈した。署内でお披露目式も行い、道教育大函館校の演劇部「劇団PaP(パップ)」が説得力のあるせりふ回しで、特殊詐欺の巧妙さを訴えた。

 同署管内は昨年10月に1億5000万円の特殊詐欺被害をはじめ被害が多発傾向にある。被害の未然防止につなげるため、同署地域係の藤田花梨巡査(20)のイラストを使った約5分の啓発動画を作成。音声はパップのメンバーが担当した。

 動画はユーチューブでも配信した。視聴した朗読劇ふらっとのメンバーから「私たちもこの内容を自分たちで朗読し周知したい。紙芝居を作ってもらえないだろうか」との相談があり、同署が了承した。

 紙芝居のイラストは、動画と同じ藤田巡査の作品を使用した。紙芝居の上演には専用ケースが必要だが、市販品は非常に高価。高橋署長が100円ショップで購入した壁掛け用フレームや角材などを使った手作りケースを実費1000円以下で作成。贈呈先には紙芝居とケースをセットで渡した。

 ふらっとの石田代表は「私たちのリクエストに応えてもらい感激している。早速、練習して魂のこもった上演ができるよう頑張りたい」と話した。

 パップの代表で同大2年の中田光咲さん(19)は「動画に続き、紙芝居にもかかわるとは思わなかった。これをきっかけに詐欺被害への理解をさらに深めていきたい」と語る。

 同署は今後も特殊詐欺被害や交通安全、地域住民の防犯意識を高めようと、紙芝居(A3サイズ、10枚程度)作品を募集している。年齢、性別は問わない。締め切りは6月30日。応募作品の中から、防犯に役立つ作品として選ばれた人は、7月下旬~8月上旬の都合の良い日(2日間)に同署で、高橋署長の手ほどきで紙芝居ケース作りを行う。材料費として770円が必要。

 高橋署長は「防犯について考える機会にしてもらうとともに、ケース作りは夏休みの自由研究として利用してもらってもかまわない。素晴らしい作品は、今後の防犯啓発に活用することもある」と話している。

 問い合わせは同署生活安全係(0138・42・0110、内線261)へ。

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