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函館新聞

生もと造りで日本酒 伝統製法 酒販店で販売 箱館醸蔵【七飯】

生もと造りで造った新商品を手にする東谷さん

 【七飯】箱館醸蔵(町大中山1)は、江戸時代から続く伝統的な酒造り製法「生もと造り」の純米酒「郷宝 生もと 壱火」を発売した。乳酸菌を育てながら酒母を造る製造法で、創業以来初の試み。深いこくのあるうま味が感じられ、まろやかな酸味とキレも良いのが特徴。道南の酒販店などで購入できる。

 日本酒を造る過程に酒母造りがあり、酒母はもろみのベースになる。酒母造りでは、通常は人工の乳酸を添加(速醸)するが、生もとは乳酸を添加せず、酒蔵内にいる乳酸菌から生まれる天然の乳酸を酒造りに使う。

 杜氏の東谷浩樹さん(54)によると、生もと造りは低温発酵させるため、冬の寒い時期しか造れず、今年2月に作業を始め、4月に完成したという。同社では生もとの経験はなかったが「うまくできた」という。

 七飯産「吟風」100%使用、精米歩合は65%。1回火入れしており、アルコール分は16度で、淡麗うま口(大辛口)。冷酒からぬるかんまで幅広い温度帯で楽しめる。

 東谷さんは「しっかりしたうま味は、生もと造りでないと出せない。時間と手間は掛かるが、昔ながらの製法で造った日本酒を味わってほしい」と話す。

 720ミリリットル入り1870円、1・8リットル入り3740円。問い合わせは同社(0138・65・5599)へ。

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