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十勝毎日新聞

トカプチが「十勝晴れ」酒米づくり【音更】

彗星の苗を植える参加者。奥右が伊藤社長

 雑穀卸アグリシステムグループのトカプチ(更別村、伊藤英信社長)は24日、音更町十勝川温泉地区にある水田で手作業による田植えを行った。一部は地酒「十勝晴れ」の原料として使われる予定。

 十勝晴れは産学官金などによる「とかち酒文化再現プロジェクト」が10年以上続けてきた事業。昨シーズンから帯広畜産大内の碧雲(へきうん)蔵が参画し、生産から醸造までオール十勝での酒が初実現した。

 これまで生産は町内農家の白木祐一さんが担ってきたが、高齢のため昨年引退を表明。トカプチは白木さんの水田を取得し、有機農法の一つ、バイオダイナミック農法で食用米(ななつぼし)と酒米の栽培に取り組む。プロジェクトには参加しないが、酒米収穫分の半量程度を十勝晴れに供給すると表明している。

 酒米を植えるのは、2.64ヘクタールの水田のうちの約1ヘクタールで、品種は「彗星(すいせい)」。この日は碧雲蔵を担当する上川大雪酒造(上川管内上川町)や帯広小売酒販組合、下士幌小の5、6年生11人など約50人が参加し、泥だらけになりながら田植え作業を体験した。

 上川大雪酒造の川端慎治副社長は「一時はオール十勝米が途絶えると覚悟しただけにありがたい。一俵でも多く、収穫できるよう応援したい」と話した。

 伊藤社長は「白木さんが守り続けた水田。大変だったと思う。音更町内でも田植えができる機会はほとんどない。十勝晴れのほか、自分でも酒を造ってみたい」と話していた。伊藤社長が主宰する北海道オーガニックヴィレッジ事業として9月末には収穫体験も予定する。

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