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日高報知新聞

600人参加し海の森づくり えりも岬緑化70周年 小学生らがクロマツの苗木植樹【えりも】

クロマツの苗木を植樹する児童たち

【えりも】えりも岬の本格的な緑化事業開始から70周年を迎えたことを記念した「2023リン子とルンルン海の森づくり植樹祭」が17日、庶野のえりも岬百人浜展望台で開かれた。近隣町を含めた小学生約340人、地域住民、緑化事業関係者など総勢600人が参加し、緑豊かな森林がよみがえることを願いクロマツの苗木を植樹した。

 実行委(坂本好則会長)が主催し、えりも岬の緑を守る会の協賛、えりも町、ひだか南森林組合、えりも漁協、林野庁北海道森林管理局、日高南部森林管理署の後援。

 かつて、広葉樹の原生林に覆われていたえりも岬の海岸は、明治以降、本州からの入植者の開拓による伐採とえりも特有の強風にさらされ、昭和20年代の後半には、〝えりも砂漠〟と呼ばれるほど荒廃。強風で赤土が舞い上がり、その土は海上10㌔㍍沖合にも達し、沿岸では、海藻が根腐を起こし魚も減少するなど海にまで影響を及ぼした。

 この事態を脱するために、昭和28年に浦河営林署えりも治山事業所が開設され、治山事業による本格的な緑化事業が始まった。以降、関係者らが「えりも式緑化工法を」生み出すなどの地道な努力の積み重ねで、豊かな森林がよみがえりつつある。

 今年は、緑化事業開始から70年の節目の年を迎えたことから、「えりも岬緑化事業にささげた情熱」と「成功に至るまでの苦労」などの歴史を風化させることなく次世代の子どもたちに伝えようと記念行事として植樹祭を開催した。えりも町内はもとより、近隣の様似町、浦河町にも呼び掛け、より多くの子どもたちと植樹することで、森林の在り方を考えて絆を深める事業として実施。えりも岬の緑化事業を題材に映画制作を手掛けている田中光敏監督も参加した。

 開会式で、坂本会長は、えりも岬緑化事業の歴史について説明し、「我々は、豊かな海を守るために、今後、子々孫々まで緑化事業を続けていきたいと考えている」、大西正紀えりも町長は「今、世界中で多くの緑が失われ、地球温暖化などにも影響が出ている。地球規模の環境問題解決にもえりもの緑化事業は意義のあること。みなさんで、えりも町から森づくりの大切さを伝える取り組みを広げていこう」とあいさつした。

 この日は、クロマツの苗木1200本を植樹。参加した児童らに林野庁の職員が植樹の手順を説明したあと、全員で植樹場所へ移動。それぞれ区画ごとに分かれて、30㌢ほどのクロマツの苗木を丁寧に植栽した。

 熊澤ひなたさん(えりも小5年)は「植樹は楽しかった。自分が植えた木が大きく成長した姿を見てみたい」、金子悠那さん(同)は「砂漠化について学校で何度も勉強している。えりもの砂漠化をなくしていくために、下の学年にも繋いでいってほしい」と話していた。

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