白いシャチ2年ぶり目撃 【羅臼】
羅臼漁港から北東に5㌔ほど離れた根室海峡で、2年ぶりに白いシャチが目撃された。白いシャチは過去に2021年と19年にそれぞれ目撃されており、今回は背びれの特徴から19年に目撃された個体ではないかとされている。反対側の斜里町ウトロで起きた観光船事故から1年がたっても客足の戻りが鈍い地元の観光船事業者は「明るい話題」とPRしている。(五味亜希子)
13日早朝、町内の高台にある「クジラの見える丘公園」で沖を観察していたシャチ愛好家から「白いシャチがいる」との情報を受け、大学などの研究者でつくる「北海道シャチ研究大学連合」の調査隊員を乗せた「観光船はまなす」が午前7時10分ごろ、13~15頭ほどの群れの中にいる白いシャチ1頭を発見した。
4年前と2年前にも白いシャチを目撃しているガイド歴10年目の杉田知香さん(30)によると、今回見た個体は体長7~8㍍の大人の雄で、サドルパッチと呼ばれる背中の白斑模様から「19年に(相泊漁港沖の日ロ中間ライン付近で)見た個体と同一」とされている。
この日最初の目撃があった約2時間後には、観光客ら37人を乗せた「知床ネイチャークルーズ」の観光船も、ほぼ同じ場所で白いシャチを目撃。ガイド歴4年目の東口彩加さん(30)によると、白いシャチは群れの右端を泳ぎ、観光船の下をくぐって逆サイドに移動するなど「遊んでいるようだった」。
2年前は「ゴジラ岩観光」のクルーズ船が、通常のシャチの群れの中にいる2頭の白いシャチを目撃。この4年間で羅臼沖には大人の雄雌の少なくとも3頭の白いシャチが遊泳することが確認された。知床羅臼観光船協議会(5隻)の長谷川正人会長は「羅臼では多くのシャチの群れや白い個体が見られる特別な海」と話し、観光客の戻りに期待している。
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