歯舞漁協（小倉啓一組合長）は１５日、前浜コンブの生育状況を調べる今年度１回目の資源調査を実施し、市場内で各調査ポイントから採取したナガコンブを計測した。調査は夏コンブ漁の解禁を前に例年実施しているもので、漁場がロシア主張領海内のため事前調査ができない北方領土・貝殻島周辺コンブ漁の生育状況の判断材料にもなっている。

　この日は漁船６隻が調査に参加。地区内の友知から納沙布岬までの前浜の各調査ポイントから昆布を採取。市場内に搬入して長さや重量、葉幅などを計測し、関係者らが作業を見守った。終了後には調査結果の報告会が行われた。

　調査では生育状況は良さそうで、同漁協昆布漁業部会の柿本康弘部会長（６９）は「今年は流氷の影響も少なく第１回目の前浜調査としては良好だと思う」と述べ、昨年は８月の出漁が２回にとどまっていることもあり「なるべく多く操業できて豊漁に期待したい」と話していた。

　また貝殻島コンブ漁については、昨年は交渉の遅れなどから例年より３週間遅い６月２２日から操業が始まったが、今年は４月２１日に交渉が妥結。参考とされる前浜の調査結果が良好だったことから、６月１日からの操業に期待が高まっている。解禁日は調査結果や報告会での内容を参考に理事会で決定する。

写真／採取したナガコンブの測定を行う職員たち