取引額、最大18億円減 北電伊達発電所休止の影響、市と商議所が調査【伊達】
廃業視野の事業所も
北海道電力伊達発電所(伊達市長和町、総出力70万キロワット)が来年3月末で休止するのを受け、市と伊達商工会議所(寿浅雅俊会頭)が、市内経済への影響調査を実施した結果、取引額の減少が最大で約18億円に上ることが分かった。金額を回答しなかった事業者もあり、影響額はさらに大きいとみられる。廃業を視野に入れる企業も出てきており、発電所と取引がある事業者からは、先行きを不安視する声が挙がっている。
調査期間は3月1~29日。対象は構内に常駐する4事業所とその他の市内1068事業所。アンケートを持参もしくは郵送して配布。インターネットやファクス、郵送で回答を得た。
回答数は構内常駐が3事業所(回答率75・0%)、その他が403事業所(同37・7%)。
回答があった構内常駐事業所の従業員数は、86人で市内在住者は79人。休止で大幅な減少が見込まれる。
近年の取引額の合計は、最大で約16億円、最小で約9億9千万円。今後の展開については「事業縮小」1事業所、「未定」が2事業所だった。
その他の企業で同発電所に関連した取引があったのは43事業所。年間取引額を回答した35事業所の合計額は1億9961万円。このうち、6事業所が年間1千万円以上。中には約5千万円に上るケースも。今後について事業の「廃止」を予定しているのが1社、「縮小」が2社だった。
取引がある市内の建設業者は「伊達発電所関連の売り上げがある業者は、いずれも先行きを不安に思っている。伊達以外の発電所の仕事があるなら助かる」と厳しい状況を語った。
同商議所は第71回全道商工会議所大会(6月30日~7月1日、苫小牧市)で運転休止後の維持整備、影響を受ける企業への経営支援制度の特例措置の設定を国や道に求める方針。
市は「北電の今後の動きを見て対策を検討していきたい」としている。
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