約4倍の重さに成長 江差の養殖トラウトサーモン初水揚げ【江差】
【江差】ひやま漁協江差支所サーモン部会(藤谷一明部会長)は10日、江差港南埠頭(ふとう)付近で海面養殖試験を行っているトラウトサーモン(ニジマス)の初水揚げを行った。町民限定の販売会も同日行われ、用意した100尾が完売した。
実験は、ひやま漁協や町などでつくる江差地域漁業振興実証計画地域協議会(会長・工藤幸博ひやま漁協組合長)を通じて漁業経営の安定と育成を図るため、昨年11月15日に開始。平均尾叉長32・8センチ、同体重483・6グラムの約2000匹を、直径20メートル、深さ3メートルの生けす1基に放した。
生けす内のトラウトサーモンを、たも網を使って丁寧にすくい上げると、横付けした船上の作業台で、エラ切りなど血抜き作業を行った。
桧山地区水産技術普及指導所によると、水揚げ数は1979本。約半年の育成で平均尾叉長は約1・5倍の49・9センチ、同体重は約4倍の2026グラム(いずれも速報値)に成長した。養殖期間中確認された死魚数は37匹。事前試食会などで約20匹先行利用した。
水揚げ作業を見守った同協議会の工藤会長は「採算に乗せるには3キロはほしいが、生残率が高く成功の部類と言える。本来は5月下旬に水揚げ予定だったので、あと20日も育成していれば3キロを達成できた可能性がある。次年度は3キロを目指し取り組みたい」と意気込みを話した。
照井誉之介町長は「漁業者の所得向上につなげるのが目的。2、3年後に向けてどう改善していくかをしっかり検討していきたい」と述べた。
同支所荷捌き所横で行われた町民向けの販売会では1人1本限定の1本2000円で先着順に販売するとあって、行列ができるほど人気だった。1500匹程度は苫小牧市の加工事業者に納入され、町内を中心とした小売店で販売、飲食店などでも提供予定。
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