仮想空間の教室に“登校” 「分身」がゲームで交流 市教委運用開始【帯広】
不登校の児童生徒の居場所づくりや多様な学びの機会の提供に向け、帯広市教委が新たに導入したオンライン学習プラットフォーム「ひろびろチョイス」の運用が9日にスタートした。初日から児童生徒の“分身”となる「アバター」が仮想空間の教室に“登校”し、自習に取り組んだり、他の子どもたちとゲームで交流した。
朝のホームルーム代わりの「おはよータイム」が始まる午前10時直後から児童生徒のアバターが続々と入室。この日の午前中は11人が参加した。
プラットフォーム管理者の市教委の傳法谷肇統括指導主事がひろびろチョイスのコンセプト「三つのC(選べる、つながる、応援する)」について紹介。「自分で学びを選び、人と未来とつながる、そんなワクワクする場を地域の大人で応援していきます」と語り掛けた。傳法谷指導主事の声掛けで、児童生徒がクラッカーや拍手のリアクションボタンを押してスタートを祝った。
続いて参加者がアバター名で自己紹介。顔を出さずに声だけで話したり、声を出したくなければチャットで「好きな食べ物はフルーツです」などと紹介した。自習の後は希望者でゲームを行い、市教育センター「ひろびろ」から傳法谷指導主事や川北隆一相談員がマイクを切った状態で口を動かし、参加者が何を言ったか答えて交流した。
傳法谷指導主事は「想定以上に子どもたちが入ってきてくれた。私を介さなくても子ども同士でつながっている様子も見られ、ニーズに合っていたと思う」と初日の手応えを語った。今後はクラブや遠足など対面での活動も展開する。
市内の不登校児童生徒数は全国と同様に増加傾向にあり、2021年度は児童105人、生徒182人。ひろびろチョイスの申し込み者は9日時点で46人。
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