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函館新聞

4年ぶり市民交えて啄木忌法要 山本玲子さん講演も【函館】

墓前で手を合わせる参列者

 函館ゆかりの歌人、石川啄木(1886~1912年)の命日の13日、函館市住吉町の東海山地蔵堂(開米隆成住職)で112回忌の法要が営まれた。函館啄木会(渡辺美樹子代表理事)の主催で、4年ぶりに広く参加を呼び掛けて約40人が参列。法要後は啄木一族の墓で静かに手を合わせたほか、「啄木ソムリエ」の山本玲子さんによる追悼講演を開いた。

 1907年に132日間を函館で過ごした啄木は5年後の4月13日に東京で亡くなった。函館では宮崎郁雨や函館図書館長の岡田健蔵らが翌年から追悼会を開き、26年に墓を建立。同会は毎年、啄木忌法要を営んでいる。

 石川啄木記念館(盛岡市)の元学芸員の山本さんは「一握の砂を示しし人」と題して講演した。

 啄木の歌集「一握の砂」(1910年刊)は巻頭歌が墓碑にも刻まれた「東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる」、2首目が「頬につたふ なみだのごはず 一握の砂を示しし人を忘れず」。表題でありながら「一握の砂」が2首目となった理由や「示しし人」が誰なのかを推察した。

 啄木は歌集発行以前にエッセーの表題として「一握の砂」を用いたことがあるとし、「『一握の砂』は好んで使った言葉で、砂の一粒、一粒が心の叫びであったり、つぶやきや主張、誓い、夢、希望といったことを総称した」と指摘した。

 「東海の-」を詠んだ1908年6月24日、啄木は外出先で作家の国木田独歩(1871~1908年)が亡くなった(6月23日没)ことを知り、「明治の創作家中の真の作家」と惜しんだ。山本さんは「いかに自分が独歩に引かれていたのかを実感したのだろう。(同じ日にできた歌を)巻頭に載せたことでレクイエムとしたのではないか」と述べた。

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