野火多発、伊達に集中 ごみや枯れ草焼き原因、「法律違反」消防が警鐘【胆振西部】
胆振西部では3月以降、伊達市を中心に、ごみ焼きや枯れ草焼きが原因の野火が多発し6日現在、前年同期比6件増の異常事態になっている。今月4日に南黄金町で発生した野火は、雑木林など約13ヘクタールを焼く林野火災に発展した。西胆振行政事務組合消防本部は「野焼きは原則、法律違反と認識してほしい」と強く呼びかけている。
今年に入り発生した野火は6日までに7件。うち6件が伊達市に集中。3月15日に東浜町でごみ焼きの火が燃え移ったのを始まりに、今月4日には上館山町の畑の枯れ草を焼くなど、収まらない。同本部は、雪解けが早く例年と比べ平均湿度が低い今年の傾向を挙げ「農地や休耕地での作業の早まりとともに、野焼きする機会が増えた影響が出ている」と分析する。
4日の林野火災は、休耕地での枯れ草焼きの火が周囲に燃え移ったのが原因だった。同本部や市消防団をはじめ、室蘭、苫小牧両市消防が応援に加わり、札幌市消防局と道のヘリコプター2機が上空から消火活動に当たったものの、鎮火までに18時間を要した。煙は風に乗り山を越えて登別市側にも伝わり、登別市消防が住民に周知する騒ぎとなった。
市防災センター(伊達市松ヶ枝町)に設置した気象観測装置のデータによると、4日は昼過ぎから湿度が下がり、火災が発生した午後2時ごろは約23%と空気は乾燥していた。西胆振消防本部管内では2018年以来となる林野火災は、同本部が「過去10年を振り返っても例がない」と話すほどだった。
野焼きは、風俗慣習上や農林水産業を営む上でやむを得ない場合などを除いて原則、法律で禁止されている。違反した場合は5年以下の懲役や、1千万円以下の罰金が課せられる可能性がある。
同本部は「防火の観点から、野外での焼却作業はやめてほしい。例外的に認められている場合でも必ず消防に連絡してほしい」と訴えている。
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