今季オープン、企画多彩に 知里幸恵銀のしずく記念館、特別展やフォーラムも【登別】
生誕120年、「アイヌ神謡集」刊行100年
登別出身でアイヌ神謡集著者の業績を伝える「知里幸恵銀のしずく記念館」(登別市登別本町、木原仁美館長)が今季のオープンを迎えた。今年は幸恵の生誕120年とアイヌ神謡集刊行100年の節目の年。同館では特別展や各種講座などを企画。幸恵の業績を広く発信する。
同館は2010年9月にオープン。NPO法人知里森舎が管理運営している。館内には幸恵の日記や手紙、寄贈された本などが展示され、冬季休館を終え、今月1日から開館している。
今年は幸恵の生誕120年とアイヌ神謡集発刊100年の節目とあって、同館は各種イベントを予定している。26日には同館周辺の森で散策会を開催。群生する草木を観察しながらアイヌ文化とのかかわりについてレクチャーする。
4月からは「幸恵の愛した登別」をテーマにした学習会を開催。9月までの計6回で、同記念館に展示している日記や手紙から、幸恵の登別時代に暮らした当時の思い出の場所や訪れた土地などについて学ぶ。6月にはアイヌ神謡集刊行100年を記念した特別展も計画している。
幸恵の命日に合わせて今年も9月17日に「知里幸恵フォーラムin登別」を開催。「『アイヌ神謡集』これからの100年」をテーマに千葉大学名誉教授の中川裕氏と札幌大学教授の本田優子氏が講演する予定だ。
同法人の松本徹理事長は「各地で小さな少女の志だったアイヌのイタク(言葉)の伝承の取り組みが始まっている。記念館としても貢献していきたい」と話し「節目の年であり、ぜひ多くの人に足を運んでほしい」と呼びかけている。
開館時間は午前9時半~午後4時半。火曜定休(祝祭日を除く)。今季は12月20日まで開館する。問い合わせは同館、電話0143・83局5666番へ。
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