大津波、直ちに高台へ えりも・様似町と浦河警察署地震・津波避難訓練【えりも】
【えりも】町と様似町、浦河警察署による地震・津波避難訓練が10日、町内近浦地区で行われ、様似町旭地区(ニカンベツ川東側)居住者も含む約60人が参加して、防災への意識を高めた。
今回の避難訓練は、3月5日に最大震度5弱の地震が発生し、後発地震注意情報が発表されている中、10日午前1時に三陸沖を震源とする「マグニチュード9」の日本海溝型地震(震度5強)が発生して、えりも、様似両町の沿岸に大津波警報が発令された―の想定。また、今回の避難訓練は90年前の昭和8年3月3日に発生した「昭和三陸地震」で、町内に14・2㍍の津波が来襲し、えりも岬・庶野地区で死者13人、負傷者56人の被害が発生していることをイメージした。
訓練は、10日午後4時に町の防災行政無線で、「訓練・大津波警報が発令されたので、直ちに高台へ車で避難してください」と放送があり、標高6㍍の近浦地区と同5㍍の旭地区住民らは警察官と町職員、自治会役員の誘導で、標高15㍍の防災資材保管ハウスのある高台へ避難。住民の多くは国道沿いを迂回して避難した。
さらに、避難路が狭く急な高台へは軽トラックのみを誘導し、15分以内で23台が避難を終えた。
訓練終了後、大西正紀えりも町長は近浦団地の多目的集会施設前での講評で「津波避難では国道を迂回せずに、団地から高台へ直行の避難道路の建設を計画的に進める。一刻でも早く高台へ逃げてほしい」と呼び掛けた。
浦河署は「昨年7月に道が公表した巨大地震による大津波では、えりも町に最大26㍍、様似町に18㍍の津波が来襲すると予想している。特に冬期間の夜は、避難先で低体温症の危険がある。避難時に防寒衣をすぐ持ち出せる準備が必要」と強調し、村上裕一近浦自治会長は「海岸から近い低地に住む住民として、高台への直行避難道路早期建設を願う」と述べた。
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