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日高報知新聞

アイヌ文化継承の取り組み 平取 シシリムカ文化大学第5回講座【平取】

「パネルトーク」を行う教授ら

【平取】町主催のシシリムカ文化大学第5回講座「アイヌ文化の担い手育成~伝承者育成事業5期生の成果発表を通じて」が2月28日、本町の中央公民館で開かれ、会場28人、オンライン27人の計55人が参加してアイヌ文化の研修の意義を学んだ。

 札幌市のアイヌ民族文化財団は、アイヌ文化伝承者の高齢化に伴い、アイヌ文化を継承する基礎が失われつつある今日、アイヌ文化に関する知識や技術を習得させる事業を実施。人材(伝承者)の育成を図る事業として2008年(平成20年)から白老町を研修の拠点として実施し、20年度から平取町を研修拠点として本事業を実施している(1期3年間)。

 同講座は、来年度から始まる第6期伝承者育成事業やアイヌ文化継承の取り組みに活かす趣旨で行われた。

 内容は、第5期生の岡本朋也さんと飯塚潔子さんが研修成果を発表し、北大アイヌ・先住民研究センター准教授の山崎幸治さん、北ノ森自然伝習所主宰の三木昇さんが解説した。

 「木彫」を研修した岡本さんは「二風谷イタ=沙流川流域に古くから伝わり、現在も伝統的技法が継承されている木製の平たい形状のお盆=アイヌ文様の中でウロコ彫りは、模様が浮き出てくるような面白さがある。他の作品にも取り組んでいるが木彫りをする上で、先祖の残した技法を基に自分なりのものをプラスしてこれからも続けていきたい」と話し、「有用植物の実証」を研修した飯塚さんは「敷物に使われる水生植物(ガマ、フトイ、サンカクイなど)があるが、作業の手順や耐久性などを比較してまとめた。敷物の良い素材条件は、扱いやすさと丈夫さでガマが一番適していた」「自分から見つけた課題を追究することは楽しい」と研修成果を発表。

 その後、北大アイヌ・先住民研究センターの山崎准教授と、北ノ森自然伝習所の三木主宰がそれぞれの立場で解説した。最後に4氏で「研修を振り返って」をテーマにパネルトークのほか、質疑応答が行われた。

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