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函館新聞

赤色LEDで暑さに負けず高品質 トルコギキョウで新技術【函館】

赤色LEDを照射したトルコギキョウのハウス(花・野菜技術センター提供)

 道総研花・野菜技術センター(滝川市)は、6月植えトルコギキョウの高温期の早期出蕾(しゅつらい)対策として、赤色LED電球を使った夜間照明技術を開発した。LED照明で収穫までの日数が長くなり、切り花長が延びるため、高品質な切り花が増え、農家の収益も向上する。道南に多い作型に活用できるという。

 道南は6月に定植、9月に収穫する作型が多い。本州が暑さで作りにくい時期にトルコギキョウを出荷する。しかし、夏の高温の影響で出蕾が早まり、草丈が短くなる欠点があった。そこで出蕾を遅らせる赤色LED照明で品質を高める技術を確立した。

 試験によると、中生品種「モンロー」は、収穫までの日数が無処理が80日なのに対し、LED照明を当てると90日に延びる。切り花長は無処理69センチ、LED照明79センチで10センチの差が出た。中晩生品種「ハピネスホワイト」は、収穫までの日数が無処理86日、LED照明94日となり、切り花長が無処理68センチ、LED照明94センチとなった。中晩生品種「グランハピネス」は、無処理がLサイズ(単価221円)90%だったのに対し、LED照明が2Lサイズ(同271円)55%と高い規格の切り花が増加することが分かった。

 コスト面は、LED照明の方が無処理より10アールあたり販売額が51万円高く、LED照明に必要な資材(電球、電球コード)や電気代の費用は年間6万5000円掛かる。ただ、1回買えば、10年間使える。

 照明期間は定植日から出蕾までの約50日間で、照明時間は午後6時~翌午前6時の12時間。LEDの設置方法は高さ1・8メートル、間隔3メートルとし、点灯はタイマーを利用する。

 中生~中晩生品種は効果が高く、中早生品種でも育苗時照明を追加することで同様の効果が得られる。

 道南でトルコギキョウの主産地は七飯町で、夏季中心の出荷で冠婚葬祭全ての場面で需要がある。

 道総研道南農試(北斗市)の研究職員、菅原魁人さん(30)は「省力的で今までの栽培管理を変えずに電照を追加するだけで品質が上向き、収益が向上する」と強調する。

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