エゾシカ122頭捕獲 1カ月で想定の2・4倍 苫小牧市
苫小牧市街地にエゾシカの出没が相次いでいることを受け、市が2月1日から開始した市街地周辺の捕獲事業は、今月1日までの1カ月間で122頭を捕獲する成果を上げた。目標の50頭の2倍以上となり、生息数の増加を物語った。市内でシカ絡みの交通事故が多発していることから、市は2023年度も事業を継続。宅地への侵入を防ぐ防除ネット貸し出しなど新たな対策も取り入れる。
2日の市議会一般会計予算審査特別委員会(木村司委員長)で矢嶋翼氏(新緑)、竹田秀泰氏(同)、牧田俊之氏(改革フォーラム)、松井雅宏氏(同)、橋本智子氏(民主クラブ)の質問に答えた。
交通事故防止などを狙いとした捕獲事業は、2月1日~3月10日を期間とし、日高町の認定鳥獣捕獲等事業者に委託して初めて実施。市街地近くの山林などにシカが餌として好む牧草を置き、くくりわなを仕掛けて捕らえた。
今月1日までの実績によると、捕獲数は1日平均4~5頭で、最多は9頭。市は期間中の捕獲目標を50頭としていたが、期間を残して既に2・4倍。市街地周辺での生息域の広がりを示し、市環境生活課の担当者は「予想を上回る状況だ」と驚く。
エゾシカは近年、繁殖数の増加や狩猟者の高齢化などを背景に生息数が増え、市内への出没も相次ぐようになった。シカと車がぶつかる交通事故も多発。道警のまとめによれば、22年に市内で発生した事故は366件に上り、道内の市町村で最多となった。宅地に入り込んだり、家庭菜園が荒らされたりなどして、市民が市に苦情を寄せる件数も増加。今年度は2月末時点で55件を数えた。
市は23年度も捕獲事業を続けるほか、宅地侵入に困っている市民に高さ約2メートルの防除ネットを貸し出す。また、シカの道路への飛び出しをドライバーが事前に把握できるよう、路肩の除草や注意看板の設置など交通事故対策事業も予定する。同課の担当者は「あらゆる手段を使い、市街地出没や交通事故の低減を目指したい」としている。
関連記事
狙い定めドローン操縦 室工高1年生が体験【室蘭】
道建設部主催の情報通信技術(ICT)の体験講習会が20日、室蘭市宮の森町の室蘭工業高校(鈴木康礼校長)で行われた。1年生の環境土木科6人、建築科23人が、ICTの基礎知識やドローンの操縦技術を...
12月1日「Xマスコンサート」 サンタの会、活動振り返る展示も【伊達】
西胆振で活動する音楽ボランティアグループ・サンタの会(太田亜紀子代表)のクリスマスチャリティーコンサート「ぼくらの音楽会」が、伊達市梅本町の伊達信用金庫コスモスホールで12月1日に開かれる。ク...
健千窯の津村さんに社会ボランティア賞 国際ソロプチミスト日本財団表彰【登..
工房、不登校児の居場所に 登別市緑町の窯元・健千窯を主宰する津村健二さん(79)が、国際ソロプチミスト日本財団から社会ボランティア賞を受賞した。2012年から市内小中学校の不登校の子どもたちに...
「いい(11)夫婦(22)の日」 最高齢医師 支え合う【音更】
夫婦で田中医院(音更町木野大通東15ノ2)を営み46年目を迎えた精神科医・院長の田中章二さん(85)と、内科医・副院長のサイ子さん(86)。十勝の現役医師で最高齢となった2人は、共に大病を乗り越...
川の見回り 馬上から 悪路も悠々踏破 帯開建と畜大実験【帯広】
帯広開発建設部と帯広畜産大学は21日、帯広市内の札内川河川敷付近で馬を活用した騎馬パトロールの試行実験を実施した。馬を活用することによる河川管理などへの可能性の検討を目的とし、その効果や課題な...
CATEGORY記事カテゴリー
MEDIA参加新聞社
ARCHIVE月別記事リスト
RANKINGアクセスランキング
- 週間アクセス
- 月間アクセス
-
1
道東道阿寒─釧路西 12月22日開通 札幌─釧路市街地直結【釧路市】
2函館市動物愛護管理センター開所 25日から運用 殺処分減へ【函館】
3帯広畜大「ゼニ研」に前田一歩園賞 ゼニガタアザラシの個体数調査継続【札幌】
4昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
5トラウトサーモン安定的生産に期待込め 浦河港内で養殖試験 浦河町栽培漁業研究会 事業化に向け可能性探る【浦河】
-
1
高校で卒業式、1623人が門出の日【釧路管内】
2タイ国鉄車両工場長 シンハカーンさん キハ183系を見学 安平
3昔風の純喫茶復活 マリー・ギャルソン17日営業再開【釧路市】
4釧路市動物園、ライオンのユウキ死ぬ【釧路】
5旧狩勝牧場再生へCF 返礼はソフト食べ放題やツアー 北広牧場【新得】