DV被害、連携して支援を 市窓口担当職員、適切な対応学ぶ【登別】
登別市の窓口業務担当職員らを対象にした「配偶者からの家庭内暴力(ドメスティックバイオレンス、DV)に関する研修会」が20日、市役所で行われた。参加した18人は、適切な被害者の保護や支援、窓口対応について学んだ。
研修会は毎年実施しており、DV被害者の相談対応や一時保護などを行う民間シェルター、NPО法人ウィメンズネット・マサカーネの佐々木博美理事長が講話を行った。
佐々木理事長は「虐待や暴力は家庭内で行われることが多く、外からは見つけにくい」と指摘した。税金を払えないといった行政への相談の例を挙げ「背景には配偶者がお金を入れてくれないなどのDVが行われている可能性がある」と説明。「相談に違和感を感じたら、庁内で連携を取って窓口を紹介したり、適切な支援機関への橋渡しをしてほしい」と呼びかけた。
続いて市市民サービスグループの藤原雅也主査は、加害者が児童手当や税に関する相談に訪れ、被害者の居場所などの情報を得ようとするケースもあると説明。「情報が漏えいしないよう、各部署で確認方法や手順を話し合ってほしい」と求めた。
同グループの奥山幸恵総括主幹は「職員は当事者の視点を持って知識を深め、適切な対応を取ることが大切」と力を込めた。
市は相談窓口などの電話番号を掲載したDV防止カードを製作している。市役所の女子トイレや市民会館、市総合福祉センターしんた21のパンフレットコーナーなどに置かれている。
同グループによると、市民からのDV相談件数は2017年度が24人、18年度36人、19年度27人、20年度22人、21年度17人と減少傾向にある。担当者は「コロナ禍で外出が難しく相談しにくくなっているのか、被害が減っているのかは不明」としている。
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