函館開建が吹雪対策 江差道多重衝突事故から1年【北斗】
【北斗】地吹雪で視界がきかなくなる「ホワイトアウト」の中で発生した、車100台以上が巻き込まれた北斗市内の函館・江差自動車道での多重衝突事故から、21日で1年になる。道路を管理する函館開建は、対策として吹雪が予想される場合は早期の通行止めを行っているほか、高さ4メートルの防雪柵の設置を進めている。
事故は午前7時15分ごろ、市萩野付近の北斗追分インターチェンジ(IC)―北斗中央ICの上り線(函館IC方向)で発生し、男性1人が他の車にはねられ死亡した。現場周辺は遮るものがない農地が広がり、ホワイトアウトが起こりやすい環境だった。
同区間は、函館開建函館管理ステーションのパトロール車が事故の数分前に通過し、問題がないことを確認していたが、その直後に天候が急変。パトロール車は北斗中央ICから引き返し事故救援に当たった。当時、渡島東部に暴風雪注意報が発令中だったが、警報は出ていなかった。
事故で車170台近くが立ち往生し、ドライバーらが多数閉じ込められた。南渡島消防事務組合は、北斗市に救援を要請。午前10時ごろから北斗市のバスが現場と市保健センター、市総合文化センターとの間を往復し、ドライバーらを搬送した。
函館開建防災課は「大規模な多重衝突は予期しない事態だった。関係機関の壁から、初動に課題があった」と振り返り、関係機関でつくる「渡島・桧山地方道路防災連絡協議会」で暴風雪時の対応についてあらためて議論。直接自治体に救援を要請するなど、連絡体制の再構築を図った。
函館開建は事故を受け、函館江差道の函館中央IC―北斗富川IC間の12・6キロには、視線誘導標440基を設置済み。さらに北斗追分IC―北斗中央IC間のうち、事故現場周辺の1・6キロの風上側(山側)で防雪柵の工事を進め、3月中には完了する見込みだ。また、吹雪が予想される場合は、函館IC―木古内ICの全区間を早めに通行止めとしている。今季も1月20日と同25日に同区間を通行止めとし、事故の未然防止を図ったが「100%の対応は難しい」(道路計画課)とし、視界が悪化した際は「車間距離を十分に取り、スピードを落として」と呼び掛ける。
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