道南ドクターヘリ出動回数 3年連続道内最多【函館】
市立函館病院(函館市港町、森下清文院長)を拠点に渡島、桧山管内で運航している道南ドクターヘリの2021年度の出動回数(キャンセル分を除く)が、過去最多タイの396件となり、道内で運航する4地区中で3年連続最多となった。また、東北を含む11地区中でも2年連続最多を記録した。
道内でのドクヘリは、道央圏が05年、道北・道東圏が09年に導入。道南は最も遅い15年に運航が始まった。渡島、桧山管内の18市町、医療機関が運航調整委員会を組織し、鹿児島国際航空(鹿児島県)に運航を受託。これまで大きなトラブルに見舞われることなく、順調に出動回数を増やしている。
道南での運航実績の特徴は要請件数に対する出動率の高さ。21年度は64・3%で、道央の43・6%、道北の59・8%、道東の52・7%に比べ高い割合となっている。他地域に比べ、年間の天候が安定していることが要因とみられる。
一方、ヘリの待機場所が函病から離れている函館空港にあるため、担当の医師と看護師各1人が緊急搬送に備え、空港に常駐する必要があり、待機時間に他の医療業務に携わることができないという課題がある。
森下院長は「離島や過疎地域の多い道南でのドクターヘリの必要性が数字に表れている。緊急要請に迅速に対応できるよう、一層の体制強化に努めていきたい」とした上で「限られた医療スタッフを有効に活用するため、函病屋上にヘリを待機させることが望ましい。昨年から実証実験を行っているが、発着時の騒音など課題は少なくない。住民と話し合いながら、実現に向け努力していきたい」と話している。
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