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函館新聞

コンブ完全養殖技術確立へ 函館市の来年度予算案【函館】

戸井漁協のコンブ種苗センターで行われている母藻の畜養・成熟促進研究の様子(提供)

 函館市はコンブの安定供給と品質向上を目指すため、完全養殖技術の確立に向けた漁業振興研究費として、来年度予算案に5849万円を盛り込んだ。市農林水産部水産課は「良質で付加価値の高い養殖コンブの生産技術が確立できれば、漁業者の高収入化にもつながる」とし、研究成果に期待を込める。

 全国一のコンブ生産量を誇る函館市だが、近年は海洋環境の変化などにより天然コンブ資源が激減。さらに天然コンブを母藻として種苗を生産する養殖コンブへの影響も懸念されている。

 市は今年度から、国の地方大学・地域創生交付金事業を活用し、北海道大学や函館水産試験場などと連携しながら、養殖コンブを母藻とした種苗生産する完全養殖技術の開発に着手。戸井漁協が所有するコンブ種苗センターで、人為的に成熟させ早期に種苗を生産する「成熟誘導技術」の研究などに取り組んでいる。

 養殖コンブの育成期間は通常10月~翌7月だが、ここ最近は母藻の成熟遅れから、期間が1カ月ほど短くなりコンブの品質低下につながっていた。

 成熟誘導技術は母藻を種苗センター内で畜養し成熟促進させることで、適正な育成期間を確保する試み。同技術を活用し昨年10月から戸井沖で育成している養殖コンブは今年7月に収穫予定で、同課は「収穫時の成長状態を検証したうえで、今後は他の海域でも育成が可能か研究を進めていきたい。将来的には各漁協へ成熟誘導技術の普及と低コスト化も検討していく」とする。

 函館市のコンブは「白口浜」「黒口浜」「本場折浜」など地域ごとに呼び名が異なっていたが、2017年に「函館真昆布」にブランド名を統一し、国内外に向け積極的なPR展開をしている。同課は「養殖研究と同時に、藻場の回復による天然コンブの資源回復への取り組みを行っていく。また、国内外での販路拡大や新商品の開発などを進めることで、漁業者の収入増や後継者確保も目指していきたい」と意欲を見せている。

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