今年も不漁見込み

　町のシンボルかもめ島での岩ノリ摘みが１１日、今シーズン初日を迎えた。ひやま漁協江差支所海苔部会（辻裕樹部会長）の１４人が、鴎島灯台から西側に広がる「千畳敷」などで、岩場に生育したノリを採取した。

　解禁日は昨年１２月１日だが、海が平穏な状態になるのを待ち２月までずれ込み、積雪が多かった昨年と同じ開始日となった。

　午前８時に島上部の「江差追分節記念碑」前で辻部会長が「ようやく初日になった。昼から風が吹くので気をつけましょう」とあいさつ。全員が島上の厳島神社の方向に手を合わせ安全を祈願し、岩場に張られたロープを伝いながらノリが自生する千畳敷へ降りた。Ｌ字型の金属製の棒がついた各人手作りの「カギ」と呼ばれる道具を使い、採取作業を始めた。

　辻部会長によると「昨年１２月の成長期に降った雨の影響で生育が悪い」と言い、不漁だった昨年よりも生産量は少なくなる見込み。初日は午後１時までの作業で、採取量は昨年初日の４分の１程度という。

　摘み取りは３月ごろまでを予定。手摘みと、昔ながらの手作業で加工され、今季はさらに希少性が増しそうだ。

かもめ島西側の千畳敷で岩場で生育したノリを摘む漁業者