厳冬期も防災意識高めて 3年ぶり訓練に釧路市民ら100人【釧路】
釧路市防災会議(会長、蝦名大也市長)と新橋地区連合町内会(高橋實会長)による冬季防災訓練が10日、コーチャンフォー釧路文化ホールで開かれた。100人を超える地域住民や関係19機関が参加。防災講話や各種訓練などを通じ、厳冬期の災害対応を学びながら防災意識の高揚を図った。(須貝喜治)
この訓練は、2018年に市西部の鶴野、中鶴野地区で初めて開催。その後、地域を変え隔年での実施を計画し、20年は橋北西部地区で行われ、22年に新橋地区で予定していたが、新型コロナウイルスの影響で中止となり、3年ぶりの開催となった。
この日は、午前10時に釧路沖を震源とする巨大地震が発生し、北海道太平洋沿岸東部に大津波警報が発表されたという想定で開始。地域住民らが避難場所に指定された同文化ホールに次々と訪れる中、治水どんぐりの家保育園の園児らも滑りやすい道路を歩きながら5分ほどで避難を完了。同園の吉田弘美主任は「とても寒かったが園児たちもしっかり避難できた。今後もこういった機会があれば参加したい」と話していた。
避難訓練終了後は同ホールで、釧路地方気象台の塩谷栄吉地震・津波防災官や内閣府防災担当の岡部來参事官補佐による防災講演を実施。岡部補佐は「避難意識を高く持つことで、津波の被害は大きく減らすことができる。今回の訓練を機会に、冬の備えについて考えてほしい」と訴えた。
その後参加者は、避難所体験として段ボールベッドを作って使い心地を確認したほか、がれきの下に埋まった人の救助、支援物資の配送、応急給水などさまざまな訓練を体験した。訓練に参加した新川町内会長の横田厚さんは「段ボールベッドの組み立てなど、参加して初めて分かることが多くあった」と話していた。
訓練後、伴篤副市長は「今回の訓練を糧として、市民の防災意識が高まるよう市としても努めていきたい」と総括。高橋会長は「こういった大きな訓練は機会が少ないが、素晴らしい訓練だった」と話していた。
次年度以降は、開催地区を変えて毎年の実施を予定している。
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