心癒やす笑びな 「健千窯」制作ピーク【登別】
桃の節句(3月3日)に向け、登別市緑町の窯元「健千窯(けんせんがま)」(主宰・津村健二さん、千鶴子さん夫妻)で、陶器製のひな人形「笑びな」作りがピークを迎えている。一つ一つ手作りで、表情も全て違うのが魅力。愛らしい笑顔が見た人の心を癒やしている。
「笑びな」作りは始めてから20年以上が経過。伸ばした粘土をふんわりと仕上げる「風船づくり」という手法で一つ一つ丁寧に形成。乾燥、素焼き、色付けを経て本焼きし、約1カ月以上かけて制作している。大きさは約10センチで、両手に収まる丸みを帯びているのが特徴。千鶴子さんが丁寧に形を作り、健二さんが鮮やかな色合いを加える。表情や衣装などが一つ一つ違うため「一点もの」として人気が高い。
朗らかな笑顔を浮かべるおひなさまとお内裏さま。華やかに並ぶ三人官女と五人ばやし。手作りならではの質感で生き生きと動いているようだ。近年は「子どもや孫の顔に似ているものを買う人や名前を入れてほしいとの要望もある」(健二さん)。自宅用に購入する人も増え、道内外から購入希望者がいるという。
千鶴子さんは「『笑びな』を見た人に笑顔を与えられたら」と話している。問い合わせは同窯元、電話0143・85局6585番へ。
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