海岸に折り重なって打ち上げられた流氷（10日、鱒浦海岸で）

　網走地方気象台は10日、今季の流氷接岸初日を観測したと発表した。平年より６日、昨年より７日、それぞれ遅い。

　市鱒浦から藻琴にかけての海岸には、海岸に打ち上げられた板状の流氷が折り重なって山脈のようになっている。海岸線を通る国道２４４号からも接岸の様子がよく分かり、気づいた市民や観光客が海岸に下りて写真を撮るなどしていた。

　今シーズンの流氷は昨年末まで、平年より早いペースでサハリンの東側を南下していたが、暖気に見舞われて流氷域の面積も一気に減った。

　今年に入ってからは、強烈な寒波でオホーツク海の流氷域も面積が一気に回復。順調に南下していた。

　しかし、水平線のすぐ向こうまでは来ているもののなかなか姿を現さず、網走が流氷初日を迎えたのは平年より11日遅い２月２日。その後も沿岸に近づく様子は見られず、流氷に期待をかける観光関係者をやきもきさせていた。

　今季の流氷接岸初日となった２月10日は、３年ぶりの開催となるあばしりオホーツク流氷まつり開幕の前日。接岸初日のニュースが全国を駆け巡り、さらにＳＮＳなどでも情報が流れることから、観光関係者は「流氷まつりの開幕とあわせ、これで一気に流氷観光が盛り上がれば」と期待を寄せている。