キメラ第二工場を視察する飯尾さん（左から２人目）

受注拡大へ助言　岐阜のアドバイザー

　岐阜県を中心とした航空機産業のクラスター・ＧＡＣＣＴ（ガクト）でアドバイザーを務める飯尾真也さんが１、２の両日、室蘭市内を訪れた。室蘭航空宇宙産業ネットワーク（ＭＡＳ－ＮＥＴ）の構成５社を訪問し、受注拡大に向けてアドバイスした。

　ＧＡＣＣＴは、岐阜県を中心とした半径２０キロ以内に立地するものづくり５社で構成。プレス加工や表面処理、精密研削加工などの技術を持ち、航空機メーカーへの納入実績もある。定期的にオンラインで交流しており、現地での指導は初めて。

　飯尾さんは２日、ＭＡＳ－ＮＥＴ事務局の室蘭テクノセンターを訪れた後、精密金属加工・キメラ（本社室蘭市香川町）の第二工場（石川町）を訪問。藤井徹也代表取締役らと意見交換した。

　事前に資料などで同社の製造技術などを確認していた飯尾さんは「ＪＩＳ　Ｑ　９１００（航空宇宙・防衛産業に特化した品質マネジメントシステムの国際規格）を取得しており、加工技術は航空機産業に参入できるレベル」と評価した。ＧＡＣＣＴでは他のクラスターと連携している事例を紹介して「他のサプライチェーンと競合した場合、機械加工だけでは厳しい。メーカー側から熱処理など特殊鋼への対応を求められることも多い」と述べた。

　第二工場内を視察したほか、午後からは西野製作所を訪れた。１日には、ミヤタ技研工業と今野鉄工所、永澤機械にもアドバイスした。

　川崎重工業で部品製造に携わった経験のある飯尾さんは「ＭＡＳ－ＮＥＴ各社の技術力は高く、ＪＩＳ　Ｑ　９１００を各社が取得することで、可能性も高まるのでは」と期待した。