室蘭-青森フェリー就航へ、10月から運航開始 1日1往復、15年ぶり航路復活【室蘭】
津軽海峡フェリー(函館市、村上玉樹代表取締役社長)は1日、室蘭港と青森港(青森市)を結ぶフェリー航路(205キロ)を10月に開設すると発表した。室蘭港発着のフェリー航路は、昨年2月1日に室蘭-八戸間が休止して以来で、早期の航路復活に関係者は喜びの声を上げている。
同社の運航計画によると、ダイヤは室蘭発午後8時~青森着翌日午前3時(航海時間7時間)、青森発午前9時~室蘭着午後3時45分(6時間45分)で、室蘭発は日曜、青森発は月曜運休の1日1往復。
船舶は、同社が2013年から函館-青森間で使用しているブルーマーメイド(8820トン、約144メートル)で、車両積載能力はトラック71台または乗用車230台、旅客定員は583人。就航後は青蘭航路専用の船舶となる。
室蘭港へ航路を選定した理由について同社は、働き方改革関連法で24年4月以降、自動車運転業務の時間外労働時間の上限が年間960時間に制限される「2024年問題」を前に、運送業者から新航路開設の要望があったことや北海道新幹線の延伸などによる室蘭港の将来性を挙げた。
同社によると、昨年2月に川崎近海汽船が室八航路を休止したことを契機に、青蘭航路の開設に向けた検討を開始した。運送業者が2024年問題に対応した運航工程を決めやすくするため、早期の航路開設を発表し、10月からの運航を決めた。
今後は、国土交通大臣への航路認可申請のための書類を用意し、室蘭市と室蘭港の利用に向けた具体的な協議も行う。永露伸明社長室長は「お客さんの声をしっかりと把握し、将来性を見通した上で開設を決めた。室蘭や函館の物流を活性化させることで、地域振興にも貢献したい」と抱負を語った。
同社は1972年に道南自動車フェリーとして設立し、函館-青森間を運航。2009年に旧東日本フェリーから函館-青森間、函館-大間間を引き継ぎ、津軽海峡フェリーに社名を変更した。現在、函館-青森間1日8往復(4隻)、函館-大間(青森県大間町)間1日2往復(1隻)を運航している。
青蘭航路は旧東日本フェリーによって1967年に運航を開始し、2008年に廃止されて以来となる。
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