厳冬期のアサリ漁 歯舞漁協で手掘り解禁【根室】
【根室】根室半島の厳寒期の風物詩となっている歯舞漁協の「アサリ手掘り漁」が30日から始まった。今年は前年より3日遅い26日の解禁だったが、氷の状態などから5日目の初出漁となり、歯舞アサリ部会(長山吉博部会長)の漁業者9人が、3年ぶりに結氷した湖面の氷と格闘しながらアサリを採取した。
納沙布岬にほど近い最東端の漁場で、海水と真水が混ざる汽水湖のトーサムポロ沼で行うアサリ手堀り漁は、試験操業を含め1970年から行われており、コンブ漁業者の冬場の貴重な収入源。漁期は4月上旬までで、前年の資源調査の結果から漁獲許容量は19㌧に設定された。
操業が始まった午後2時ごろの根室の気温は氷点下4度。穏やかな日和の中、10㌢ほどと氷の薄い場所で操業。防寒着を身に着けた漁業者は体重をかけたり、つるはしやチェーンソーなどを使って氷を割りながら「チリトリ」と呼ばれる漁具とくわを使って、出荷サイズの35㍉以上のアサリを採取した。
漁業者は「氷があるので漁がやりずらく、量的にはそんなに揚がらないかもしれない。サイズは少し小さいようだ。競り値に期待している」などと話していた。大ぶりのアサリは素材の味を楽しむならみそ汁か酒蒸しがおすすめだそうで、遠くは九州まで出回っているという。
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