４月２８日にオープンする洞爺湖鶴雅リゾート洸の謌のイメージ図（提供画像）

　阿寒湖・屈斜路湖エリアなどで温泉旅館やホテルなどを展開する鶴雅グループ（釧路市阿寒町）は、洞爺湖エリア初進出となる新ホテル「洞爺湖鶴雅リゾート洸（ひかり）の謌（うた）」を４月２８日にオープンする。洞爺湖全体が見渡せ、自然を存分に体験できる「アドベンチャーツーリズム」の拠点として、歴史や文化、北海道ならではのライフスタイルを取り入れた滞在型リゾートホテルが誕生する。今月２０日からホームページで宿泊予約の受け付けを始めた。

　同ホテルは、北海道電力の旧保養所を増改築して利用する。２０１９年に建物と隣接地約４ヘクタールを購入。鉄筋コンクリート造り４階建て。延べ床面積は９０１９平方メートル。設計は遠藤建築アトリエ（札幌市）が担当。工事は２２年３月に始まり、４月上旬に終える予定。

　北電がプランナーとして参画し、年間の１次エネルギーの消費量削減率を５０％以上とするＺＥＢ　Ｒｅａｄｙ（ゼブレディ）を達成する。増改築では道内初で、高効率の空気熱ヒートポンプを使った空調や給湯システムをはじめ、高性能の断熱材や窓の導入で省エネルギーを実現。道産木材を利用し、工事で掘り出した土を使ったアート作品を制作するなど、ＳＤＧｓの取り組みも進める。

　同グループ担当者は「世界に発信できるエコリゾートの確立をテーマに、環境配慮型ホテルとして取り組むことで、未来への貢献に寄与していきたい」という。洞爺湖エリア進出については「ジオパークをフィールドに、アクティビティツーリズムの拠点として、魅力あふれる大自然とホテルでの価値ある滞在が融合した、新しい旅のスタイルを提案できるエリア」と捉えている。

　客室は４８室で、うち３３室に露天風呂を備える。ほかにも自然や家族、歴史・文化をテーマにしたコンセプトルーム、愛犬と過ごせる「ワンちゃんルーム」など、さまざまなライフスタイルに合わせた客室を用意。大浴場には外気浴で「ととのう」ことができるサウナ施設を設置するほか、エステルームやタイ式マッサージのメニューも提供する予定。

　料理は近郊の旬の野菜や噴火湾で水揚げされる海産物をふんだんに使った洋食、和食、鉄板焼きのコース料理を用意。朝食はハーフビュッフェスタイルになるという。

　また、アクティビティのインフォメーションカウンター兼ショップを展開するアドベンチャーベース「ＳＩＲＩ」（シリ）を設置。洞爺湖でしか体験できないメニュー開発に取り組む。

　担当者は「北海道を代表するリゾートエリア洞爺湖の自然力を存分に生かし、地域に根差した自然や歴史・文化と呼応する新しい形の北海道リゾートを満喫できるホテルとして、多くの方々に楽しんでほしい」と、オープンに向けて準備を進めている。