合格を喜ぶ（左から）奈良さん、海野さん、今野さん、山村さん

　一般社団法人全麺協（東京）の「そば道段位認定制度」で、函館・近郊の４人が今年度、四段位と三段位に合格した。１０、１１月に道内や青森県で受験。練習の成果を十分に発揮し、４人は「楽しくそばを打ち続けたい」と決意を新たにしている。

　そば打ちを職業としない人を対象に初段位～五段位があり、上段位として六段位、七段位、八段位がある。現在は全国に六段位の取得者までしかいない。

　四段位に合格したのは、函館市の無職山村秋一さん（７３）＝手打ちそばぐるーぷ函館白花＝と、七飯町の会社員今野和好さん（４６）＝ななえ手打ち蕎麦（そば）愛好会＝。山村さんは昨年も四段位に挑戦したが、事前審査を通過できず、技能審査を受験できなかった。「今回２回目でようやく合格でき、うれしかった」と山村さん。釧路での勤務中、幻の逸品「摩周そば」のおいしさに感動し、そば打ちを習いに行ったのがきっかけ。本番に向けななえ―の仲間と共に練習に励んだ。山村さんは「今後も楽しくそばを打ちたい」と笑顔を見せる。

　今野さんは、２０１８年に初段位を取得以来、二段位、三段位と順調に進み、今回初めての受験で四段位に合格。試験では加水がうまくいき、自分の満足できるそばを作ることができたという。今野さんは「新型コロナウイルスが収束したら、高齢者施設や児童養護施設でそば打ちを行い、そばのおいしさや楽しさを広める地域貢献活動をしたい」と意欲を見せる。

　三段位を取得したのは、七飯町のステンドグラス作家奈良眞理さん（７０）＝ななえ―＝と、函館市の会社員海野孝さん（５７）＝北斗蕎麦打ち倶楽部（くらぶ）＝。奈良さんは試験は時間通りにうまくいったとし「道南は有段者の指導が受けられ、恵まれている。次は四段位取得を目指す」と意気込む。

　海野さんは「初めての受験で合格でき、ほっとした」と胸をなで下ろす。テニス仲間の紹介で会に入り、そば打ち歴４年ながら、めきめきと上達。次は四段位が目標で「今回敢闘賞をもらったので、頑張ったかいがあった」と話す。

　また、１１月上旬に苫小牧であった全麺協北海道支部主催の第２回高段位別技術交流大会で、四段位で相川清二さん（６３）＝北斗―＝、三段位で今野さんが共に最優秀賞を獲得した。