網走署に移送される中島容疑者

　道警捜査２課などは８日、受託収賄容疑で、紋別市幹部職員の市観光連携室長・岩井智広容疑者（50）＝同市渚滑町＝と、元市幹部職員で旅行コンサルタント会社代表の中島和彦容疑者（58）＝東京都中央区月島＝を逮捕した。

　調べによると、岩井容疑者は２０２１年10月に実施した避暑地化推進基本計画策定業務（市発注）の公募型プロポーザルで、中島容疑者に親しい知人が代表を務める会社が受注するよう、便宜を図る見返りに、昨年４―８月ごろ、中島容疑者から現金計18万円を受け取った疑い。

　プロポーザルは中島容疑者の知人の会社１社のみが応募し、１４３０万円で受注。岩井容疑者は審査員を務めていた。

　中島容疑者は市の元特定任期付職員で、昨年３月まで観光連携室長を務めている。

　宮川良一市長は同日夜、会見を開き「市民の信頼を揺るがしたことは誠に遺憾で、深くおわびする。事実関係を確認し、厳正に対処する」と話した。

　捜査関係者によると、受託収賄の疑いで逮捕された岩井容疑者は、プロポーザル方式で参加企業を公募する際、意中の会社に受注させるため参加資格条件を設け、市内に事業所を持たない会社を事実上、排除していたという。

　今回受注した会社は、参加資格の内容が公表される前に紋別市内に支店を開設しており、プロポーザルには同社だけが参加していた。

　警察は８日夜、市役所などの関係先の捜索で押収した資料の分析を進め、賄賂の経路や余罪、癒着の実態などについて調べている。