第４回定例函館市議会は８日、本会議を再開。予算特別委員会（遠山俊一委員長）に付託した今年度一般会計補正予算など３０議案を原案通り可決した。特別委の採決では「子ども医療費助成制度」の関連議案に対して、民主・市民ネットが修正案を提出する異例の展開になった。修正案は反対多数で否決され、最終的に本会議で原案可決と決着したが、市長選を控え、政策的な予算の計上時期をめぐり、議会内の意見が分かれた。

　一般会計補正予算案では、来年４月の診療分から所得制限を廃止し、高校生以下の医療費を無償化する「子ども医療費助成制度」の関連議案に対して、民主・市民ネットが修正案を提出した。

　同会派の板倉一幸氏は提案説明で「同制度は、子育て世代の負担を軽減し子育て環境を拡充整備するために重要な政策として、われわれは実現に向けた要求を行ってきた」としたうえで「来年４月に市長選が予定され、新年度当初予算は行政の継続的運営に必要な骨格予算とし、政策的予算は選挙後のために手をつけずにおくべきだ」と主張。一般会計補正予算案から子ども医療費助成拡充準備のための所要経費を削除することを求めた。

　これに対し、市政クラブの出村ゆかり氏は「コロナ禍や物価高の影響で子育て世代が厳しい経済状況の中、医療費助成の拡充は必実現すべき」と修正案に反対の立場を示した。

　特別委での修正案の採決では民主・市民ネットと市民クラブの１０人が賛成、市政クラブ、公明党、共産党、無所属の１６人が反対し否決。子ども医療助成制度の関連議案を含む一般会計補正予算案の本会議採決では、民主・市民ネットと市民クラブ、共産党の計１３人が退席し、残る１３人が賛成し可決された。

　一般会計補正予算案は、１億１４７２万円を追加し、総額を１５２６億１８３７万円となる。

　市議会事務局によると、一般会計補正予算案の修正案が提出されたのは１９７４年に市民体育館の落成記念式典経費の削除を求める修正案以来４８年ぶり。この時の修正案は否決されている。