旧日高線を自転車道に トカプチ400と結ぶ 帯商構想【十勝】
帯広商工会議所(帯商、川田章博会頭)は、日高山脈の国立公園化をにらみ、周辺自治体などと連携し、廃線になったJR旧日高本線を活用した自転車道を造成した上で、「トカプチ400」とつなぎ、新たなサイクリングルートとして発信する構想を公表した。自然と調和した体験周遊観光を推進し、国内外から広く人を呼び込むのが狙いで、実現に向け、すでに関係者と調整を始めている。
6日、市内で開いた帯商議員総会で川田会頭が今期の運営方針として示した。
新たに自転車道の造成を計画しているのは、昨年3月末で廃線となったJR北海道日高線鵡川(胆振管内むかわ町)-様似(日高管内様似町)間約116キロで、線路用地の転用を想定。さらに、様似から大樹までは、黄金道路(国道336号)など既存道に自転車専用の時間帯を設定し、十勝管内12市町村にわたる約403キロの「トカプチ400」につなげる。起点の鵡川までは新千歳空港から苫小牧経由で鉄道で移動できる。
帯商は9市町村の商工会や自治体などで構成する日高東部・十勝南部広域連携推進協議会の事務局として、9年前から「日勝半島」のブランド名で広域観光振興に取り組んできた。同線の廃止後、関連用地の活用などは現時点では決まっておらず、今年から日高管内7町や国などと水面下で協議してきた。
今後、同協議会を中心に自治体の財政負担が少ないよう、公共事業としての整備を国などに要望していくほか、未加入の関係自治体にも参加を呼び掛けた上で、事業スキームを検討していく。また、現在、国などの補助事業で進めている「日勝半島」を巡る滞在周遊型旅行商品の販売などを通じ、機運を盛り上げる。
川田会頭は「日高山脈の国立公園化で自然調和型の観光は必ず需要が高まる。維持や費用などの課題もあるが、ぜひ実現させたい」と話している。
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