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日高報知新聞

台湾新城郷の訪問団を歓迎【浦河】

 今年8月に浦河町と友好交流推進協定を締結した台湾新城郷の郷長(日本での町長)をはじめ地域代表者ら33人の訪問団が6日に初来町し、町総合文化会館ふれあいホールで開かれた台湾新城郷・浦河町友好交流会で歓迎を受けた。

 浦河町と新城郷は、それぞれアイヌ民族とタロコ族の先住民族、原住民族の重要拠点となっているほか、どちらも太平洋に面し、浦河町はコンブやイカなどの海産物の名産地として、新城郷は海洋深層水を生産しマンボウの名産地として知られている。こうした共通点を通じて、双方の絆を深め、経済分野の互恵関係、友好関係構築を目的として、8月にリモートによる協定締結式を挙行し、友好交流推進協定を締結した。双方が直接対面するのは今回が初めてで、協定の内容を再確認したほか、アイヌ古式舞踊などの観覧を通して文化交流を深めた。

 新城郷からは、何禮臺(か・れいだい)新城郷長をはじめ、邱光明(きゅう・こうみょう)花蓮県議会議員や新城郷民代表会メンバー、新城郷公所職員、一般同行者ら33人が訪れたほか、台北駐日経済文化代表処札幌分処の粘信士(ねん・しんし)札幌分処長が出席。浦河町の池田拓町長、松田有宏副町長、浅野浩嗣教育長、飯田美和子町議会副議長をはじめとする町議会議員や津田一彦浦河アイヌ協会会長、上田正則日高地域日台親善協会会長など19人が参加し、来町を歓迎した。

 あいさつで池田町長は「台湾のタロコ族と浦河のアイヌ民族の文化の交流をはじめ、それをさらに進化させ、観光や農業・漁業、教育などそれぞれの面で新城郷との関係が深まっていくことを強く願っている」、何新城郷長は「この訪問を機会に、町の姿や文化などより深い認識を得られると思う。この交流をもとに、相互の往来がますます盛んになり、先住民族文化交流はもちろん、漁業・農業、観光産業の多様な提携で、両地域はさらなる発展を遂げられるだろう」と述べ交流の推進に期待を寄せた。

 友好交流協定の締結を記念し、記念品の交換が行われ、新城郷からは「薔薇輝石(ばらきせき)ローズオーロラ製の掛け額」が、浦河町からは「アイヌ民族衣装の刺しゅう」がそれぞれ贈呈された。

 今後の交流については、友好交流協定を確認したうえで、来年度、少数民族の交流推進を目的として、アイヌ民族の人たちと新城郷を訪問する意向を示した。

 引き続き、浦河観光協会の中川貢さんが浦河町の観光スポットや特産品などを説明しPR動画を上映したほか、浦河・様似・えりも・広尾の4町で構成する〝とんがりロード〟についても映像を交えて紹介。また、新城郷の観光PR動画も上映し、地域の観光や産業について相互理解を深めた。

 このあと、参加者は文化ホールへ移動しアイヌ文化との交流会が行われた。浦河アイヌ協会の津田会長は「文化・経済をはじめ友好関係を築いていくことに協会としても全力で協力していくとともに、アイヌ協会とタロコ族との交流を深め、お互いの文化と歴史を評価し発展につなげていきたい」と意欲を示した。

 文化交流会では、浦河アイヌ文化保存会によるアイヌ古式舞踊やムックリの演奏などが披露され、新城郷訪問団の参加者らは、スマートフォンで動画を撮影するなどしてアイヌ文化への理解を深めていた。

 何郷長は「新城郷と浦河町の3千㌔㍍という距離を超えて、文化をはじめ観光、産業を推進していきたい。これを機会に人と人との交流を深めていく」と話した。

何郷長(左)に友好記念品を手渡す池田町長

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