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函館新聞

浜の活気を取り戻せ 江差でサーモン養殖試験始まる【江差】

 

管を通してブルーシート内に送られるニジマス

【江差】ひやま漁協や町などでつくる江差地域漁業振興実証計画地域協議会は15日、江差港南ふ頭付近でトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖実証試験を開始した。同漁協江差支所青年部を中心に飼育を進め、2023年5月中ごろに水揚げを予定している。

 同支所管内はイカ釣りや刺し網、なまこ漁業などを営み、2020年度の漁業生産高は741トン、金額は4億2273万円。近年の海水温上昇などによる環境変化や、漁業者の減少と高齢化で漁獲数の減少が続いている。

 漁業経営の安定と育成を図るため、漁場環境測定機器を導入した養殖生産体制づくりを推進しトラウトサーモン養殖漁業の事業化を見据え、同漁協を事業主体とする実証試験に着手した。今年度事業費は2920万円。

 この日は岩手県雫石町から運んだ平均体長35センチ、450グラムの2000匹を淡水から海水に慣らす馴致(じゅんち)作業を行った。港湾内に設置した直径20メートル、深さ3メートルのいけすに真水を張ったブルーシートを入れ、トラックの荷台から管を通してニジマスを投入した。ポンプでシート内に海水を徐々に送り、約1時間20分かけて海水に慣らしていけすに放した。

 同青年部の中村広之部長は「どんどん大きくして、皆さんに喜んで食べてもらえるように努力したい」と話すとともに、「これ(実証試験)をうまく成功させて、浜に活気が戻ってくれるようにがんばりたい」と意気込んだ。

 今後、自動給餌器や水中カメラ、水温と溶存酸素などを測定する環境モニタリング装置を設置し、作業労力や経費などの負担軽減につなげるデータ取りを行う予定。

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