功労者表彰を受賞 道文化財保護協会 幌内神楽保存会 厚真
厚真町指定の無形民俗文化財「幌内神楽」を伝承する幌内神楽保存会(佐藤勝重会長)が、北海道文化財保護協会から2022年度の道文化財保護功労者表彰を受けた。同協会によると、厚真町内からの受賞は1980年度以来。14日に町総合福祉センターで授賞式が行われた。
幌内神楽は1907(明治40)年に幌内地区に入植した岩手県出身者らによって作られたとされ、10(同43)年の幌内神社建立とともに、豊穣(ほうじょう)や厄払いの舞を大正初期まで披露してきた。当時の中心メンバーの逝去などを理由に長きにわたり途絶えていたが、72年に同保存会を設立。翌73年に町無形民俗文化財に指定され、舞を継承して50年にわたって活動を続けてきた。現在では春と秋の大祭や田舎まつりの会場で神楽を披露し、町民に親しまれている。
授賞式に同席した町教育委員会の遠藤秀明教育長は「(受賞は)幌内地区のみならず、厚真町にとっても大きな喜び。新しい古里として後世へ思いをつないできた諸先輩方に敬意を表したい」と祝福し、「受賞を大きなエネルギーとして、町の歩み、幌内地区の発展のため次世代へ継承していただけたら」と期待を寄せた。
幌内地区は、4年前の胆振東部地震で山腹崩壊により田畑や山林が被災し、4人が帰らぬ人となった場所でもある。佐藤会長(67)は「震災の悲しみは消えないが、復興への歩みとして受け継ぎ、次世代へつなげていきたい。地域のために神楽を守り継いでいく思いを新たにしている」と謝辞を述べた。
同表彰は、文化財の保存・保護および保護思想の普及に関し、長年にわたり実績功労のあった個人・団体の功績をたたえ、その業績を後世に長くとどめようと65年から行っている。今年度は同保存会を含む1個人2団体が対象となった。
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