スケトウ10月振るわず 過去10年で最低【函館】
渡島管内でのスケトウダラ刺し網漁は、漁が解禁した10月の漁獲量が前年同月比27%減の997トン(速報値)となった。過去10年で見ると、2020年(1179トン)を下回り過去最低で、最も多かった17年(4125トン)の4分の1以下。序盤は振るわなかったが、噴火湾沿岸での水温低下に伴い水揚げ回復が期待される。
道南太平洋海域(渡島、胆振、日高管内)でのスケトウ刺し網漁は10月に解禁され、渡島では同2日に今季初水揚げがあった。997トンの内訳は、南かやべ漁協586トン、鹿部漁協170トン、えさん漁協164トン、砂原漁協77トン。渡島総合振興局は「渡島での漁獲ピークは11~12月なので、年内の水揚げ増を期待したい」(水産課)としている。
渡島での10月の1キロ単価は前年同月比30%増の109円で、金額は同5%減の1億870万円だった。単価上昇は、円安の急伸による輸入品の価格上昇などで、すり身原料が不足したためとみられる。
10月の漁獲に関し、道総研函館水試の武藤卓志主任主査は「魚の群れはいるが、水温が高いため刺し網を刺せるところより魚が深みにいるので、網に掛かりづらい」と指摘。今後の見通しについて「水温が下がって魚が沿岸に寄れば、昨年好漁だった11月下旬~12月中旬並みの漁獲が期待できる」と話す。ただ、12月はしけが多い時期のため、出漁できないケースもあるという。
同水試は、試験調査船・金星丸で今月10~17日に道南太平洋のスケトウ分布密度を調査し、結果は今月下旬に公表する。
スケトウの漁期は来年3月末までだが、漁場形成が早い渡島は11月から漁が本格化し、卵が熟す12月上旬~1月上旬にピークを迎える。1月には水揚げペースは落ち着き、2月にはほとんどが終漁する。道南太平洋のスケトウTAC(漁獲可能量)は前年度と同じ4万6400トン。
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