ガンカモ類のふん便から鳥インフル 関係機関、警戒強める
【網走】オホーツク総合振興局は、紋別市内で採取したガンカモ類のふん便から高病原性の鳥インフルエンザが確認されたと発表した。今月に入り、斜里でも野鳥から鳥インフルエンザが確認されており、関係機関は警戒を強めている。
同振興局によると、北大が調査研究の一環として、紋別市内でガンカモ類のふん便109検体を採取。遺伝子検査をしたところ、1検体から高病原性の鳥インフルエンザが見つかったという。
これを受け同振興局は、検体の採取地点から半径10キロの範囲を、環境省の指定する野鳥監視重点区域として、大量死の有無などについて監視を強化する。
また、同振興局が設置する海外悪性伝染病警戒本部幹事会を構成する各機関、団体で情報を共有。鳥インフルエンザ発生の予防対策を徹底する。
網走開建は1日、高病原性鳥インフルエンザに係る情報連絡室を開建内に設置。吉田敬浩防災課長を室長に、情報収集と対策支援の検討など連絡調整にあたる。
今回、高病原性の鳥インフルエンザが確認された検体の採取地点から半径3キロ以内に、立ち入り検査を必要とする家きん飼養農場はないという。
オホーツク管内では10月23日、斜里町内で回収されたハシブトガラスの衰弱個体からA型鳥インフルエンザの陽性反応を確認。高病原性かどうかの検査を進めている。
今年2月以降、管内では野鳥から鳥インフルの陽性が多数確認されたほか、網走市内では家きん農場2カ所で鳥インフルが発生。エミューや鶏が殺処分される事態となっている。
その後、家きん農場や野鳥から鳥インフルは見つかっていなかったが10月31日、胆振管内厚真町の養鶏場で高病原性が疑われる鳥インフルエンザが検出され、鶏16万3千羽を殺処分。その後、高病原性だったことが確認されている。
これから野鳥は渡りの季節を迎え、広い範囲を移動することから、関係機関は鳥インフルエンザが各地に広がることを警戒。家きん農場に加え一般にも野鳥との接触に注意するよう促している。
関係機関によると、通常の生活で病気の鳥と接触したり、ふんを吸い込むようなことはあまりないことから、人が鳥インフルエンザに感染する可能性は極めて低いという。
しかし、鳥インフルエンザに感染した野鳥やそのふん、感染して死亡した野鳥に触れた野生動物、人などを介して鶏などの家きんに感染する恐れがあることから、「養鶏場などへは、必要がない限り立ち入らないように」「衰弱したり、死んだ野鳥を見つけた場合は、素手で触らないように」などと呼びかけている。
野鳥やそのふんに触れた場合は手洗いやうがいをする、野鳥のふんなどを踏んだ可能性がある場合は、靴底を洗う―などの対策を奨励している。
もし、衰弱したり死んだ野鳥を見つけた時は、オホーツク総合振興局保健環境部環境生活課☎0152―41―0632)に連絡するとよい。
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