新ししゃもふ化場完成 環境整え資源回復に期待 むかわ
むかわ町が地元特産品の振興に向けて建設を進めていた鵡川ししゃもふ化場(町洋光)が完成した。老朽化した鵡川漁協の後継施設で、近く稼働させる。地元関係者は、記録的な不漁が続くシシャモの水揚げ回復につながれば―と期待する。
現施設は1978年に建設。40年以上が経過し、老朽化が進んだことから、町は2021年度から新たな施設の整備を進めていた。「鵡川ししゃも」のブランドで知られる特産品のシシャモの漁獲量が減少傾向にある中、資源の安定的確保に向け、産卵環境を向上させる狙いもある。
新たなふ化場は鉄骨造り平屋建て、延べ床面積745平方メートル。従来より約3倍広いスペースを確保し、養魚池も整備した。事業費は7億6800万円。既存施設ではこれまで稚魚を年間320万匹ほど放流していたが、新施設では1億匹を目標としている。シシャモ生産の期待量は現在の約3倍の18トン相当とした。
鵡川漁協による今季のシシャモ漁獲量は過去最低の64・6キロまで落ち込んだ。町産業振興課は「良好なふ化環境を整えるとともに、今後は資源回復に向け、他の試験機関と横断的に調査研究も進めていければ」と話している。
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