釧網線ラッピング車両出発式 根室線で運用、観光活用も サイクルトレイン調査で初運行【釧路】
JR釧網線や花咲線をイメージしたラッピングを施した電気式気動車H100形2両の出発式が30日、釧路駅で行われた。両車は根室線新得―釧路間で運用するほか、観光列車としても活用する予定。釧網本線維持活性化実行委員会(委員長・蝦名大也釧路市長)によるサイクルトレインモニター調査の臨時列車として初運行した。
コロナ禍の収束を見据え、観光などを通じて鉄道の利用をさらに拡大しようと、第3セクターの北海道高速鉄道開発(本社、札幌市)が国と道の助成や支援を受け、観光列車としても使えるH100形を購入し、JR北海道へ無償貸与した。2022年度は釧網、花咲、石北、富良野、23年度は室蘭、日高、根室、宗谷の各線をイメージしたラッピング車両を各1両導入する予定。
このうち釧網線ラッピング車両は釧路湿原やタンチョウ、摩周湖や流氷をイラストで表現しており、左右側面でデザインが異なる。花咲線ラッピング車両はすでに同線を走っているキハ54「地球探索鉄道」と同じデザインで、ハマナスの花びらや雪の結晶を描いている。根室線での営業運転開始時期は未定。
出発式には菅原裕之釧路総合振興局長、蝦名市長、戸川達雄JR北海道釧路支社長らが出席。菅原局長は「サイクルトレインは脱炭素型の観光を推進する中で意義深い存在。ラッピング車両が多くの地域住民や観光客の足として活躍してくれれば」とあいさつした。出席者によるテープカットの後、五十嵐直人釧路駅長の合図でサイクルトレインが出発した。
今回運行したサイクルトレインは釧路―摩周間。22人が、釧路駅と東釧路駅で自転車を積み込み、摩周駅で下車した。参加者らは愛車にまたがり屈斜路湖畔や川湯温泉などを巡った後、再び列車で摩周駅から釧路方面へ戻った。
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