自然採食地を整備 タンチョウの餌確保【鶴居】
【鶴居】JALグループと日本野鳥の会が28日、鶴居・伊藤タンチョウサンクチュアリで、タンチョウの自然採食地の環境整備を行った。同グループとしては通算7回目。参加者らは、タンチョウが冬期間、自然界で餌資源を確保するための池づくりなどに汗を流した。
タンチョウの自然採食地環境整備は、日本野鳥の会が2009年に着手。冬季給餌に頼らず自然の中でタンチョウが餌を取れる環境を維持する活動として、同サンクチュアリ内に冬も凍らない水路を作った。自然採食地はその後、村内各地に広がり、現在17カ所に増えている。JALグループは、「鶴」のマークを縁に16年からボランティア活動の一環として携わっている。この日は、釧路のほか札幌、帯広などから11人が参加した。
同サンクチュアリの原田修チーフレンジャーの指導の下、草むらや大きな石に埋もれていた池を広げたほか、水路内に石や倒木を配置して底生生物の隠れ場所を作った。当初、1㍍四方しかなかった水たまりを、鋤(すき)で掘り起こし、鎌で周囲をなぎ払って拡幅。1時間ほどで、草地から近づきやすい10平米の水場を造成した。さらに、自然採食地の利用を期待するタンチョウ宛てのメッセージカードを書き、ネイチャーセンターに展示した。
連続3回目の参加という、日本航空釧路支店の薬師寺俊充副支店長は「すべて手作業で大変だが、毎回達成感がある。池にいい餌が増えて、タンチョウに使ってもらえるとうれしい」と話した。原田チーフレンジャーは「毎年協力していただきありがたい。整備した環境を調査しながら、タンチョウの保護増殖に役立てていく」と語った。
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