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釧路新聞

知床岬赤岩ツアー継続断念 羅臼観光協会、沈没事故受け【標津】

知床羅臼観光協会が事業継続を断念した知床岬先端部でのツアー(2014年)

 【標津】世界自然遺産知床の観光利用を考える地域会議「適正利用・エコツーリズム検討会議」の今年度第1回目が27日、町生涯学習センターあすぱるでオンラインと併用し開かれた。この中で、知床羅臼町観光協会(大野貴史会長)が今夏から本格的に実施する予定だった「赤岩地区昆布ツアー」は、事業継続を断念することが報告された。

 大野会長は、人員確保や収支面の課題に加え、4月23日に斜里側の知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故を受け、沖を離れると安全管理が行き届かない点などに言及し「観光協会でやる以上、これらを背負いきれない」と断念理由を述べた。一方で試験実施してきたツアー内容は参加者から評判がよく「独自でのツアー形成は難しいが、別の形で継続していきたい」と、実施を希望する事業者へ知見やデータを引き継ぐ意向も示した。

 同ツアーは知床半島先端部に上陸し昔ながらのコンブ漁を体験するもので、2014年度からモニターツアーを実施してきたがコロナ禍で直近2年間は実施できていなかった。科学的データなどに基づき意見を交わす、知床世界自然遺産地域科学委員会の同ワーキンググループ(WG、座長・敷田麻実北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科教授)の専門家委員からは「産業や文化をテーマにした、これまでにないツアーだっただけに残念」「岬先端は一番知床らしいところ。世界に誇れる場所なのだから、利用の仕組みづくりを喫緊(きっきん)に進めるべき」などという意見や「事故発生時の対応は普遍的な課題。個人事業者が全部負うのは難しい」との意見もあった。敷田座長は「8年間のプロセスを踏襲した新たな提案に期待したい」と話した。

 この会議は、観光事業者らが適正利用などについて合意形成を図るのが目的で、昨年度はコロナ禍で1回しか開けておらず、今年度は1回目の開催予定がカズワンの事故直後で延期となっていた。会議では、カズワンの事故を受け斜里町の観光事業者らでつくる「知床アクティビティリスク管理体制検討協議会」が8月23日に設立し第1回協議会を開いたことを報告。今年度末までリスク管理などを中間報告し、来年度末までに最終報告をまとめる。知床の管理計画と関連があるので適宜、情報共有をする必要性を申し合わせた。

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