翼を大きく広げて飛び立つオジロワシ

　【釧路町】環境省釧路自然環境事務所は２５日、釧路湿原野生生物保護センターに収容し治療していたオジロワシ２羽を野生に返すため、町内で放鳥した。

　放鳥したオジロワシはともに成鳥になる前の２歳で、性別は不明。１羽は、根室市内のスラリー（牛のふん尿を液肥化する施設）に落ちていたところを９月に保護。もう１羽は、昨年９月に釧路町で交通事故に遭ったため同センターで治療し今年２月に放鳥したが、４月に再び厚岸町内で交通事故に遭って保護された。

　２羽は、同センターで猛禽類医学研究所の医師らによる治療とリハビリを受け、元気に回復。放鳥場所でケージを開けられると大きな翼を広げて空高く舞い上がり、山の向こうへ消えていった。

　ワシは、交通事故に遭ったシカを食べようと道路や線路に下りてひかれるケースが多く、近年は特に列車事故が急増しているという。同研究所の斉藤慶輔代表は「人の配慮で防げる事故は協力して減らしていきたい。傷ついたり弱った動物を見つけたら環境省に連絡してほしい」と呼び掛けている。