約400人が歌と演奏を楽しむ【新ひだか】
【新ひだか】三石アイヌ協会(幌村司会長)主催の「アイヌ音楽祭2022」が23日、三石本町の町総合町民センターはまなすホールで開かれ、町内外から訪れた約400人が歌と演奏を楽しんだ。新ひだか町では初のアイヌ音楽ライブ。
「民族の音楽や舞踊を多くの人に知ってもらいたい」と幌村会長が演奏者に声をかけ企画。アイヌ民族文化財団(札幌市)の助成事業として開催した。
アイヌの伝統的音楽の継承に取組むとともに現代的要素を加えて発展させた音楽家が一堂に会し、歌唱、演奏、演舞を広く紹介することにより、協会会員、町民との交流を図る目的。
出演者は、樺太アイヌの伝統弦楽器トンコリの奏者で、アフリカやヨーロッパなどの海外音楽フェスに多数出演しているOKI(オキ)さん。阿寒湖・アイヌコタン出身で、ムックリ(口琴)などの楽器や歌の姉妹ユニット「カピウ&アパッポ」。伝統歌ウポポの再生と伝承をテーマに活動する女性ヴォーカルグループ「マレウレウ」のメンバーでもある姉妹ユニット「アペトゥンペ」。音楽と舞踊を取り入れた「nincup(ニンチュプ)」。幼い頃から歌や踊り、楽器に親しむウポポの歌い手、口承文芸で高い評価を得ているムックリの名手川上さやかさん。歌や踊りを伝承するグループ「フンベシスターズ」の原田公久枝さんら6組10人。
スタートは、OKI(オキ)さんのトンコリ演奏で日高山脈をイメージした曲を披露。続いて川上さやかさんが雷の神様の歌やムックリを演奏。ほか東の方からカムイがくるよ、鳥の踊り、浦河の鳥の歌など、1組3~4曲の演奏と踊りを披露し会場をアイヌ音楽の音色に包んだ。フィナーレは、出演者全員でムックリの演奏や歌を披露し幕を閉じた。
町内から来場した菊地美恵子さん(56)は「なかなか触れることが少ないアイヌミュージシャンの皆さんの音楽を、身近に感じられて、とても楽しかった」と話し、幌村会長は「今後も出演者を増やしながら、来年以降も毎年の開催を企画したい」と話していた。
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