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十勝毎日新聞

人命救助ロボの技術競う 山岳遭難想定しコンテスト【上士幌】

 ロボットを使った山岳遭難救助コンテスト「Japan Innovation Challenge(ジャパン・イノベーション・チャレンジ)2022」(実行委主催、上士幌町共催)が8日から3日間、上士幌町内の町有林で行われた。全国から4チーム(約25人)が出場して三つの課題に挑戦、1チームだけ「発見」の課題を達成した。上村龍文実行委員長は「ロボットで遭難した人をいち早く探す技術として、今後も知識とイノベーションを結集し、全国に社会実装していけたら」と展望を話した。

課題の「発見」をクリアし300万円を獲得したチーム「TAP-J」

 2年ぶりの開催となった同コンテストは、第1回が2016年に開かれ、今回が5回目。災害対策分野での人命救助ロボットの製品化に向けた研究・開発を加速することや、大会を通じた地域への人材還流の促進による地域活性化が目的。

 大会のテーマは「リモート」。(1)発見=遭難者に見立てた重さ約50キロのマネキンを発見し、位置情報と写真を取得する(2)駆付(かけつけ)=マネキンの近くに無線機や毛布などのレスキューカットを運ぶ(3)救助=捜索エリアに設置されたマネキンをスタート地点まで運ぶ-の3種目で実施した。

 課題の発見で唯一達成、賞金300万円を手に入れたチーム「TAP-J」(東京)は17年から出場し今回が4回目。安定した飛行が特徴なドローン(重量7キロ)を開発して挑んだ。搭載した赤外線カメラを遠隔操作し、マネキンの熱源を感知し、クリアした。白やオレンジのカラーを取り入れ、戦車のように動くロボットも製作。代表の北岡弘さん(37)は「これからも社会や人の役に立てるロボットを開発したい」と喜んでいた。

 初出場の「AirKamuty」(同)はメンバー全員が飛行機好きで、設計から製造まで約3カ月でドローンを完成させた。山口拓海代表は「不安定で制御をうまくできなかった。次はエンジンを入れてハイブリッドにしたい」と次回への意欲を見せた。

 実行委によると、上士幌町は子育て支援や少子高齢化対策、人材交流や移住に力を入れている自治体として、ドローン(小型無人飛行機)をはじめ、ICT(情報通信技術)産業に積極的に取り組んでいることから開催場所として選んだ。来年も大会を予定しているという。

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