波濤〜北の海運王・栗林五朔と栗林商会の物語~ 室蘭VOX、タイトル決まる【室蘭】
12月上演、出演者初顔合わせも
室蘭の海運業の祖となった栗林商会の創設者・栗林五朔(1866~1927年)の半生を題材にした演劇が、12月に輪西町の市民会館で上演される。室蘭の舞台公演支援団体・室蘭VOXはタイトルを正式決定。脚本は9月末に完成し、20日は初稽古もあり、着々と公演準備が進んでいる。
タイトルは「波濤(はとう)~北の海運王・栗林五朔と栗林商会の物語~」。「荒波を乗り越え、室蘭の海運業の礎を築いた同社の歴史を表現している」と脚本や演出家ら製作陣が協議して付けた。
室蘭開港150年市制施行100年の記念事業として、6月に創業130年の節目を迎えた同商会を題材に選んだ。物語は明治・大正・昭和の3時代を背景に、五朔が酒屋を開業してから同社を発展させ、長男に引き継ぐまでを描く。
前作「鐵の人」で主人公だった“室蘭の製鉄業の祖”と呼ばれる実業家、井上角五郎と五朔の関わりも描かれる。
9月に開かれたオーディションで、市民キャスト計16人の出演が決定。オーディション参加者には、学生時代落語研究会で活躍した舞台経験者、栗林商会の栗林宜徳取締役(35)の姿も。見事合格し、井上が経営に関わった鉄道会社・北海道炭礦鉄道の重役役で出演する。そのほかの市民キャストは、今後配役を決めていく。
この日夜には、中島町のFKホールディングスきらんで出演者やスタッフら22人の初顔合わせと初稽古があった。栗林徳一役で舞台初出演の市内会社員、北村大樹さん(27)は「脚本の読み合わせは緊張しました」と話していた。
舞台のチケット販売は11月上旬を予定している。
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