２つの全国大会のリレー種目で優勝を飾った丸山

　上磯中３年の丸山彩華が、１～２日に東京で開かれた「みんなでつなごうリレーフェスティバル」（リレフェス）のＵ１６女子４×１００メートルリレーと、６～８日に栃木で行われた国民体育大会（国体）の成年少年女子共通４×１００メートルリレーで優勝した。タイトな日程の中、トップスプリンターの一人として北海道チームの日本一に貢献。「次につながる結果を残せた２大会だった」と笑顔を見せた。　　

　リレフェスのＵ１６リレーは４７都道府県の代表チームが出場。丸山を含む選考基準をクリアした中学生で構成した。

　予選を４６秒９９で通過し、決勝へ。丸山はエース区間の２走を任され「１走からスピードに乗ってバトンをもらえた。第２加速も乗って走れた」。３走へのバトンパスは「届かなくて焦ったが、どうにかつなげた」と後半の２人に託し、４６秒８１と予選からタイムを縮めて優勝した。

　東京五輪の舞台となった国立競技場で躍動し「緊張したけど、楽しく走れた。選手、コーチ陣が全員『優勝するぞ』という思いを強く持っていた。選手全員が３年生だったので良い思い出になる。言葉にならないくらいうれしい」と喜びを語った。

　リレフェスの後はそのまま栃木入り。４日に他の選手と合流した。丸山は１走を務め、３走に南部記念陸上女子１００メートル覇者の石堂陽奈（環太平洋大２年）＝八雲町出身＝、アンカーが今夏の世界陸上代表の御家瀬緑（住友電工）という布陣。「すごいメンバー。バトンさえしっかり渡せれば勝てると思っていた」と心強い先輩と共に頂点を目指した。

　丸山は準決勝から走り、４５秒８９で決勝に進んだ。一つ外のレーンには宮城の成年選手。「リードされる展開になる中で、周りに惑わされず自分の動きが小さくならないように意識した。カーブは好きなので気持ちよく走れた」と集中した。

　レースは御家瀬が先行する宮城の選手を抜かし、４４秒７６の大会新記録で北海道１１年ぶりの優勝を飾った。上磯中の渋谷尚弘監督は「コーチ陣は『思った以上の動きだった』と丸山を褒めていた。ハードルとともに全国トップレベルにいると自信にしてほしい」と活躍に目を細める。

　決勝前には、１００メートル、２００メートル日本記録保持者で今年現役引退しコーチとして帯同した福島千里さんから「楽しんで走ってきてね」と励まされた。丸山は「レーンに入ってからスタートまでが長かったが、その間の石堂さんの動き方など、自分の走りを考えた行動が勉強になった」と選手からも刺激を受け、今後の糧にする。

　２１日から愛媛で始まるＵ１６陸上競技大会は１００メートル障害に出場。国体の同種目ではスタートで出遅れ予選敗退と悔しさを味わった。３位に入った全国中体連で１３秒８４をマークしており「全国の舞台でまた１３秒台を出したい」と気を引き締めて臨む。