三角帆をはためかせ湾内を彩りながらエビを水揚げする漁業者（２０日午前６時５０分ごろ）

【別海】野付半島で行われる秋のホッカイシマエビ漁が２０日に解禁し、三角帆をはためかせた伝統の打瀬舟が湾内を飾った。

　晴れて風もあり最適な天候となったこの日は、午前６時に野付漁協所属の２３隻が一斉に尾岱沼漁港を出港し、前年同期と同じ１・４㌧を出荷。浜値は１㌔当たり３４５０～４６５０円（前年同期３３００～４５００円）で取引された。

　３０年以上漁業を営む「第二翔亜丸」の山口光明さん（６５）は船内で網を起こし、素早く子持ちの雌を選別。「大きさも型も初日にしては良い。ぜひゆでたてを食べてほしい」と話し、大漁に期待した。

　野付湾のエビ漁は夏（６月）と秋（１０月）の年２回行われ、浅瀬に広がるアマモをスクリューで傷つけないよう、帆に受ける風の力を利用して網を引く打瀬舟による漁法が明治期から続けられている。今期は１０・９５㌧を上限に１１月７日まで漁が行われる。