函館市内観光地にぎわう 全国旅行支援導入後初の週末【函館】
旅行代金の一部補助する政府の観光需要喚起策「全国旅行支援」が始まって初の週末となった15日、函館市内の観光名所は多くの人でにぎわった。交通機関も混雑し、宿泊施設でも予約対応に追われ、稼働率も急上昇。秋から冬にかけての観光需要にさらなる期待が高まっている。
函館朝市では、早朝から海鮮など求める旅行客や修学旅行生が足を運んだ。東京から訪れた会社員の女性(39)は今回、早期に計画していたため旅行支援の恩恵は受けられなかったが、「今冬には支援制度を使ってまた遊びに来たい」と笑顔。朝市で海産物を販売する稲場魚介苑の大森佑樹さん(35)は「着実に観光客は増えている。順調に客足が伸びれば」と語った。
五稜郭タワーも、団体客を中心に約2700人が来場。展望台からの秋ならではの風景を楽しんだ。同タワーでは「イベントの少ない11月は来場者数が落ち込む。このタイミングで全国の観光支援が始まり、ほかの制度も併用できる場合があるので来函増加に期待したい」とする。
JR函館駅も混雑した。バッグやスーツケースを手にした多くの観光客の姿が見られた。茨城県水戸市の主婦、帯刀恵子さん(75)は1泊2日の日程で、夫の趣味だという「鉄印」集めのため道南いさりび鉄道乗車を目的に来函。「ホテルの豪華な朝食や温泉が満足。イカも味わえていい思い出になった。旅行支援をありがたく活用した」と笑顔だった。
宿泊施設も活況だ。ホテルBRS函館五稜郭タワー前(五稜郭町)では、11日の予約・販売開始から電話による問い合わせが一気に増えた。コロナ禍ではビジネス客の利用が大半で、稼働率が5割程度だったが、今月は8~9割に達する日が続出。3000円のクーポンが配布される平日(休日1000円)が特に好調という。
同ホテルは市の独自観光需要喚起策「はこだて割」との併用も可能で、「冬にかけてはさらに利用が伸びと見込んでいる。早めの予約を」と呼び掛ける。
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